がんじがらめに全てが、とはいわないが、大まかな道筋は決まっていて、多少のズレや変化は誤差の範囲内、Ａがそうならなくても代わりにＢがそうなることで全体としての未来は変わらない、という考えです。

地球という物語の未来は変わらず、登場人物の細かなら動きが変わろうとも別の人間で地球にとっての必要な物語は進む。地球にとってＡがＢになろうとも代替可能なほど些細なことである。

という意味で明日は決まってると思います。

ここは哲学のジャンルなので無粋な話なのですが、科学の分野では現在ラプラスの悪魔は否定されています。それは量子力学の理論が元になっています。量子とは素粒子のような物質を構成するミクロの粒子と思っていただければいいと思います。この量子は位置を特定すると運動の仕方が、運動の仕方を特定すると位置が特定不可能という皆さんの想像される「科学」的には不思議な性質を持っています。翻ってラプラスの悪魔というのは、ある瞬間の全ての粒子の位置と運動の様子が分かれば過去、未来、現在全てを知ることができる、というものです。つまり物質を構成する量子がラプラスの悪魔を否定するため、現在の科学的にはラプラスの悪魔は存在しないということになります。

私自身の考えとしましては、行動を起こすのが人間であり、人間の行動が人間の思考に由来するものであり、その人間自身が「私が思考している」と感じるのであれば、その人間は自分の意思で未来を選択していると考えます。もちろん物理法則の、まあその時の周囲の状況の範囲内で、というのは前提ですが。

未来が確定しているかどうかと、自分の意志が関与しているかどうかは別問題として考えるべきです。

学生の頃に先生に「明日の出来事はある程度決まっている」と言われた。
「朝学校に来て、学食メニュー範囲内のものを食べ、下校時間に帰って、22～24時くらいに寝る」と。

当時は「絶対にそんな訳は無い。当たり前に変えられる」と思ったけど、
結局変わらなかった事実を考えると、
”変えられなかった”のかな、と思います。

今まで生きてきた自分の行いや思考が、明日やその瞬間の行動を決めるので、やらないのではなく、出来ない。
もっと言うと、そんな一言の検証のためにわざわざ冒険しないので、出来ない。

そう考えると超高度な計算を行う悪魔がいると未来予知ができ、居ないとしても、未来が決まっていることになってしまう。

この考えを示されても、それはそれでこれから起こる結果を楽しんでいこうと思える程度には余裕ができたかな。

前提の「あらゆる物質の情報を知り｣を、無限の精度で決定論的に情報を知ることと、解釈します。すると量子力学の不確定性原理等の矛盾は回避できますが、その先の自然の斉一性があるのかわからないため、科学的にはまだ決まってるのかわからないのだと思います。ついでに、この世では前提のあらゆる物質の情報を知ることが出来ないので、ラプラスの悪魔は実在できないと思います。