なんと輪廻転生が証明された！私たちの魂は巡り廻るようだ。
更に人生で善い行いをすると来世では良い人生が過ごせるようだ！
皆の道徳心が高まっていくのを日に日に実感していた。
しかし、いくら輪廻転生しようが前世の記憶は残っていない。
わたしの記憶は今、この人生で過ごしているもののみで構成されているのだ。
今後の人生も恐らくそうであろう。はたして善い行いをする意味はあるのだろうか。
経験により得られる記憶の積み重ねや、経験によって変化する脳の構成が、その人の人格になると私は考えています。
つまり来世の自分は自分ではなく他人です。他人がどうなろうと私はどうでも良い。
ただし一番自分に近しい他人の人生を、少しでも良いものにしてあげたい人であれば、善行はするべきでしょう。
来世のために今我慢する。来世でもそのまた来世のために我慢する。そんなことをしていたらキリがないのではないでしょうか。例えば今ゲームを我慢したとして、来世にそのゲームがあるとは限りません。しかも、記憶が連続していないのであれば「今の私」には「そのゲームができなかった」という事実が残るのみです。徳は強制されるものではなく、やりたいからやる、でいいのではないかと思います。だからといって積極的に悪行を重ねるというのは別問題です。それは輪廻転生がなかったとしても普通に悪でしょう。
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